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スタンダードよもやま話

Charade(シャレード)

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charade
この季節になるとなんとなく思い出すスタンダードです。古いミステリー映画の主題歌ということで、涼しげな感じがするからでしょうか。そしてオープニングのタイトルバックがめちゃくちゃかっこいいですよね。モーリス・ビンダーでしたっけ。この時代はソール・バスといい、かっこいいタイトルの宝庫ですね。以下は以前講座のテキストに書いた映画と歌の背景のお話。

オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントの共演で話題となった同名映画の主題歌。ミステリーにコメディの要素を加えたおしゃれ映画で、1963年公開当時大ヒットを記録しました。この曲も同年のアカデミー主題歌賞にノミネートされています。作詞作曲は「ムーンリバー」でもおなじみのジョニー・マーサ(作詞)とヘンリー・マンシーニ(作曲)のコンビ。マンシーニオーケストラと、アンディ・ウイリアムズが歌入りを録音し、それぞれヒットしています。

監督のスタンリー・ドーネンは「雨に歌えば」などミュージカル映画には大きな実績があるものの、これが初のサスペンス作品で、自ら映画会社に売り込んで実現した企画なのだとか。ドーネンははじめから主演はグラント&ヘプバーンのコンビと決めていましたが、ヘプバーンは快諾したものの、グラントは別の映画の撮影のため一度オファーを断ってます。かわりにポール・ニューマンやウォーレン・ベイテイなどの名前が挙がったものの、結局その別の映画の脚本が気に入らなかったからということで、グラントが出演することに。撮影当時、グラント59歳、ヘプバーンは34歳。グラントは年齢差をすごく気にしていて、そのために、ドーネンが脚本を書き直したり(ヘプバーンのキャラクターを積極的な女性に変更)、かなり若作りメイクアップしたりと大変だったみたいです。またヘプバーン自身も撮影中は緊張していたようで、おなじみジバンシーの高価な衣装を何着も注文し、気持ちを落ち着けていたとか(これはよくわかる!)
ちなみに1993年にヘプバーンが亡くなったとき、アメリカのニュースで彼女の代表作として一番に挙げられたのがこの「シャレード」でした。「ローマの休日」よりもこのハッピーエンドのシャレードの方がアメリカ人好みだったのかもですね。
曲の方はマンシーニ特有のおしゃれで優雅なメロディ、ジャズに通じるコード進行ゆえに、多くのジャズマン、ポップスのアーティストが好んでカバーしてきました。同年にいち早くカバーしたスタン・ゲッツの演奏をはじめ、ローランド・カーク、デューク・エリントン、サラ・ボーン、ジミー・ロウルズ、クインシー・ジョーンズ、ヘレン・メリルなどなど。ジョニー・ハートマンのしみじみとしたバラード、ブロッサム・ディアリーの可憐なワルツ、ボビー・ダーリンのアップテンポなヴァージョンも有名です。新しめなところは、ホリー・コールがわりと最近これをタイトルソングにしたアルバムを出してました。
三拍子のワルツがリズムの基本となる歌ですので、普通にワルツアレンジで歌う場合はこのリズムを生かした歌い方をするといいです。具体的には、三拍子のスラーでつながる言葉とはぎれよく切る言葉との間にメリハリをつけると、メロディとリズムの流れにうまく乗れてきれいに歌うことができます。サビの部分はその前のメロディからきれいにつながるマンシーニらしい非常に美しいメロディです。序盤からじょじょにもりあげて、情感たっぷりに歌い上げてください。

和訳(by marico)夏木マリの声で脳内再生してみてww

シャレードに興じる私たちは
子どものようにポーズを作った
身振りの言葉あてゲームで
お互いに当てっこしながら

ほんと、あれは傑作だったわ
でももうこのショウの幕は下りるのよ
あなたは一流の共演者、かりそめの恋人
愛という仮面を取り去るまでの

運命の糸に操られ
振り向けばあなたは消えていた
暗転した舞台の袖に
オルゴールの音だけが響く

それは哀愁のセレナーデ
私の心が奏でる歌
今も聴こえる これからもずっと
一流の共演者 かりそめの恋人

ちなみにシャレードは言葉あてのなぞなぞのこと。こちらがくわしいのでもっと知りたい方はぜひご覧になって。(←ここも夏木マリキャラで)

●Maurice Binderデザインのかっこいいオープニング。いきなり死んだ顔がでてきてグロ注意ですがw少しのがまん。


●おすすめ盤
その1
charadeのかわいいジャズワルツ版といえばやっぱりブロッサムのこれ!おんなのこはぜひこのアレンジに挑戦してほしい。すっごく可憐に聴こえます。


その2
そしてオーストラリアのブロッサムといえば、何度か来日してるジャネット・サイデル。わたしは10年ほど前に神戸のジャズストリートで聴かせてもらいました。ブロッサムのオマージュなのか、ベースはジャズワルツですが、もちょっとアレンジが複雑でおもしろいです。


その3
右のカラムの上の方にあるジョニーハートマン(Johnny Hartman)のアルバム、I just dropped by to say helloにも収録されてます。こちらは渋みばしった大人の歌唱。Jim Hallのギターも聴かせます。

その4

ホリーコール・シャレード
なんかちょっとひさびさな感じがしたホリー・コールのこのアルバム、ジョビンの三月の水も入ってるんですが、これもまたいいです。
なかなかスリリングなシャレードなんで聴いてみてください↓ほんとこの人はどの曲も自分のテリトリーにもってきてしまう。
Charade - Holly Cole
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