Blue Moon

preys pretty

今年の中秋の名月は9月14日です。そんなことも考えて今回の朝日カルチャースタンダード講座では「Blue Moon」を歌っています。今週末は地震?という物騒なお話もあってちょっとドキドキしてますが、せっかくなんできれいな月は眺めたいもの。でも月と地震ってのも妙に関係ありそうでコワイですが…。

ミュージカル好きはもちろん、スタンダード好きにもおなじみのロジャース&ハートコンビの作品です。(その他このコンビの作品といえば、My funny Valentine、Manhattan、Bewitchedなどがあります)

確かFly Me to the moonも何度かタイトルが変更されて、あのタイトルになってはじめて売れた、というエピソードがあったと思うのですが、この曲も同じように3度目ならぬ4度目の正直で世に出た曲だそうです。こっからそのエピソード(長いです)↓

この歌はもともと1933年ジーン・ハーロウ主演のMGM映画「Make me a star」の主題歌として書かれたもの。その時のタイトルは「Prayer(祈り)」でした。無垢な女の子が映画スターになる思いを表現した内容だったとか。ところが映画自体が製作中止となってしまい、この歌もお蔵入りしてしまいました。
翌年、クラーク・ゲイブルとウィリアム・パウエル2大スター共演の「マンハッタン・メロドラマ」という映画でこの歌を使おうという話になり、コンビは「It's just a kiind of Play」というタイトルで詩を作り直したもののあえなくカットされてしいまいます。その後この映画のナイトクラブのシーンの曲を依頼されたコンビはこの歌にもう一度手を加え、「The Bad in Every Man」というタイトルで書き直しました。この歌はようやく映画で日の目を見ることになったものの、実際のシーンではシャーリー・ロスはワンフレーズ口ずさんだだけ。その後、この曲の楽譜が販売されたものの、ヒットしませんでした。
しかしこの映画を見た音楽出版社の社長、ジャック・ロビンスからこんな申し出があります。「曲は商業的に成功しそうだが、そのためにはもう少しロマンチックな詩が必要だ」…
それを聞いたハートはさすがにもうあまり気が進まなかったものの、4回めの書き直しを行いました。それがこのBlue Moonです。ロビンスはこの曲を「ハリウッドホテル」というタイトルのラジオ番組のテーマソングとして採用することに。そして1935年コニー・ボズウェルが歌い大ヒット。何度も作り直されたこの曲はその後、The Marcelsというドゥワップのグループのカバーの大ヒットを経て、何年も歌い継がれるスタンダードとなったのでした。

とまあ、紆余曲折を経てようやく世に出たこの曲ですが、最近は数年前、アメリカンスタンダードの主要な曲を根こそぎカバーしてアルバムを作ってくれたロッド・スチュワートのおかげで、ヴァースを歌う人がふえてるように思います。メロディはちょっと覚えにくいんですけど、すてきなヴァースなんでぜひ歌ってもらいたいなと思います。

表題のブルームーンとは天文学上でいうと、1カ月の中に満月が2回あるときの満月のことを呼ぶそうです。旧暦が太陽暦に変更されて1カ月が30日か31日になり、月の満ち欠けの周期が29.5日ですので、このような現象が起こるようになったとか。このことを指して英語では「once in a blue moon」という慣用句があり、「めったに起きない」または「奇跡のような」といった意味があります。この歌の詩はこの慣用句の意味と、Blue=メランコリーの色という2つの意味をかけたタイトルです。

訳詞 by marico
<ヴァース>
昔、僕がまだ心から笑えなかった頃、
月のひかりが嫌いだった。
詩人たちをわくわくさせる夜の陰影だって
昼の光と同じくらい つまらなく感じたものさ
一緒に過ごす人もいないから 10時にはもう寝てた
独りの身には、苦かった人生の味

<コーラス>
ブルームーン、君は見ていただろう?
たった一人でただずむ私を
この胸に抱く夢もなく
愛する人もいない私を

ブルームーン、私が何をしていたか知ってるだろう?
愛する人を求める
心からの祈りを聞いていたはず

すると突然、私の前に現れた
たった一人のたいせつな人
「私を愛して」というささやきに
思わず空を見上げると
月が突然 金色に変わった

ブルームーン、もう私は一人じゃない
夢も想う人もいないあの頃の私とは
もうお別れさ

よかったねーって感じの歌詞ですが、そういいつつもなぜかさびしさみたいなものも感じる曲なんですよね。そういえば同じBlueシリーズ(別にシリーズじゃないですが自分の中で勝手に分類)のBlue Skiesもなんとなくさびしい感じ。幸せになったからといって、手ばなしで浮かれるってタイプの人じゃないのでしょうね、この歌の主人公たちは。やっぱり年とってくるとねーww喜びもしみじみした感じになるんでしょう。

歌で有名なやつというとまずメル・トーメですかねえ。
「きんぎょばちアルバム」で有名なこれです。

金魚ばち…。月の歌ばかり集めたアルバムなので、いちおう宇宙服のイメージみたいです、念のため。

演奏ものでは
Clifford Brown with Strings
とか、コールマンホーキンズの

これなんでしょうけど、
個人的には秋の夜長にとてもかわいいヴァーヴ盤のオスカー・ピーターソンのやつをおすすめします。オンナノコにおすすめ。こういうふうにいやみっぽっくなく、かわいく弾けるのがすごい。けれん味がないというか。ジャケットのように淡い水色の調べ。
oscar peterson plays pretty

ようつべにすてきなダイアン・ショウの歌唱がありました。

大人ですわねー。

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