Fly Me To The Moon (フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)

Fly me to the moon

デモ歌をmyspaceにのせてありますので、よかったら聴いてください。myspaceはこちら

朝日カルチャーの講座の8月は、恒例「リクエスト復習月間」ということで、今年はフライミートゥザムーンが選ばれました。もともと講座では2004年4月に勉強した曲です。当時から継続されてる生徒さんも何名かみえるので、ほんと長いおつきあいになってきましたね。
今回の講座でもそうですけど、最近けっこうこの曲をリクエストされることが多いです。エヴァ再放送の影響なのかな?(関係ないか)そういえば、その昔エヴァ放送当時に私がこの歌を歌ってたら、ヲタとおぼしきお客さんが「なんで?なんでこの曲知ってるの?」とか動揺しながら聞いてきたことを思い出しましたww当時はスタンダードと知らない人もいたのですね。今はなつかしい話です。ウタダだって歌ったしね。

もう今ではそんなアニメ界隈はもちろん知らない人はほとんどいないであろう、大スタンダードとなったこの曲ですが、初めはマイナーな曲だったようです。
1954年、原作者Bart Howardがこの曲を最初に世に出したときのタイトルは「In Other Words(言い換えれば)」。詩の中にもこの言葉がたくさん使われていますよね。
ちなみにこのBart Howardが亡くなったのが、2004年2月。それで追悼ってことで当時この歌を講座で歌うことにしたのでした。1950年代、マンハッタンのクラブ「Blue Angel」の名ピアニストでもあった彼の訃報は、ニューヨークタイムズ誌でも大きく取り上げられていました。

1962年、ピアニストのジョー・ハーネルがタイトルを現在の「Fly Me to The Moon」に改め、オリジナルの4/3ワルツをボサ・ノヴァにアレンジし直して、自らのオーケストラで録音。これが大ヒットしました。
アメリカ航空宇宙局(NASA)が設立されたのが、1950年代の終わり頃。アポロ11号の月面着陸が1969年ですから、当時のアメリカは、実現するかもしれない月旅行の夢と憧れに人々が胸をふくらませていた時代のまっただ中だったといえます。その時、ちょうどブラジルから上陸してきた新しいリズム「ボサ・ノヴァ(新しい感覚という意味)」に乗せてリメイクされたのですから、時流に乗って大当たりしたのも当然といえば当然かも。

ちなみにこの曲のように、曲の題名を変えたとたんヒットした曲の例は少なくありません。しかもこの手の曲にはなぜか「月(Moon)」にまつわる曲が多いのだとか。例えば1932年につくられた"If I Believed In Me"という曲は、翌33年にパラマウント映画 「Take A Chance」 に使われ、その時"It's Only A Paper Moon"と改題されてヒットしました。また1934年に作られた"The Prayer"という曲は"Make Me A Star"、"The Bad in Every Man"と2度タイトルを変えたものの、なかなか世には出ず、1935年に"Blue Moon"と改題されたとたん、Billboard誌でナンバー1となりました。また、1935年にGlenn Millerが作曲した"Now We Lay Me Down To Weep" も、これも1939年に歌詞を変えたたとたんミリオンセラーになりました。そのタイトルは"Moonlight Serenade"、そうグレン・ミラー楽団のテーマ曲としてあまりにも有名なあの曲です。月のタイトルが「ツキ」を呼ぶ、まさに冗談のようなお話ですが、ちょっとおもしろいエピソードです。

今はこの曲というと、ダイアナ・クラール版をまず思い出しますが、原作者のお気に入りはトニー・ベネット版だったそうです。トニーはヴァースからきちんと歌っています。あとナットキングコールもヴァースから歌ってますね。この曲のヴァースもなかなか面白いです。

この曲は結局最後の「I Love You」を言いたいがために、「In Other Words(他の言葉で)」手をかえ品をかえ、愛を告白している、という内容だと思うのですが、最初のヴァースの部分でそのあたりの言い訳をしていますwヴァースも一緒に訳しましたので、読んでみてくださいね。

訳詞に続く→
訳詞 by marico

詩人ってのはいろんな言葉を持ち出すもの
かんたんなことを言うために
想いと時間と韻で
一篇の詩が「歌」になる

音楽と言葉を操って
あなたのために歌を作ったの
私が言いたいこと あなたなら分かるわよね?
想いを言い換えたこの歌を聴けば

私を月へ飛ばして
そして、星の間で遊ばせて
木星や火星の春って、どんな風なのか、
私に見せて欲しいの
言いかえれば 手を握って
つまりそれは、キスして欲しいってこと

心を歌でいっぱいにして
ずっとずっと歌わせて
あなたは私のあこがれ
尊敬と崇拝のすべて
言いかえれば
ずっと変わらずに愛してね
つまりあなたが大好きってことなの!

おすすめ版
あまりにもいろいろな人が歌ってるので、どれってことももう特にないかとは思うのですが、4ビートならやはりノリノリのパリライブのダイアナクラールでしょうか。ボッサならまずはアストラッド・ジルベルトから入るのが普通だと思いますが、ジュリー・ロンドンのなつかしおしゃれな感じもかわいいです。
あと原作者お気に入りのトニー・ベネットも納得のうまさと味ですね。ゆっくりのバラードにしてますが、これだけ歌い上げてもまったく厭味にならないのがこの人のすごいところ。

ようつべにこんな掘り出し物がありました。Denise Brighamしぶい。この曲に関してはチャラチャラしたアレンジは聞き飽きてるので、こういうのがいいなあ。本当に何回も聴きたくなるのは、こういう枯山水、モノトーンな色彩の歌なのだ。

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