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The Shadow of your Smile

海のハナ

今月の朝日カルチャーセンター講座の課題曲は「The Shadow of Your Smile」です。生徒さんには毎月オリジナルテキストをお渡ししていてそこに曲のうんちく話を書いていますので、ここでもちょっと紹介。

この曲のメロディを聴くとなぜか懐かしい感じがするという日本人は多いのではないでしょうか?それもそのはず、冒頭の部分が「五木の子守唄」とまったく同じメロディラインですよね。恋人との別れの映画音楽と、日本の子守り奉公の娘たちの哀歌、どちらも「哀愁」という点で共通しているようです。

もともとは1965年のアメリカ映画「Sandpiper(いそしぎ)」の主題歌。ヴィンセント・ミネリが監督をつとめ、エリザベス・テイラーとリチャード・バートン主演のこの映画自体はあまり大きなヒットにはならなかったものの、この曲が同年のアカデミー主題歌賞を受賞。同年、トニー・ベネットの歌もグラミーの「ソング・オブ・ザー・イヤー」を受賞しています。

昔は「いそしぎ」って言葉の意味がわからず、ただなんとなくロマンチックなタイトルだなあと思っていたのですが、考えてみれば磯にいる「しぎ」という鳥のことなんですよね。写真をぐぐってみたらなかなかかわいい鳥でした。どちらにせよ、なんとなく磯の香りがする歌です。(海苔か!)それも夏の終わりとか、あまり人気のない静かな海のイメージでしょうか。ヴァースで歌われている2人の恋の思い出の季節は早春ですね。

作曲者のJohnny Mandel は元々、ジャズプレイヤーで、ビッグバンドのトロンボーン、トランペット奏者として1940年代から活躍していたのだそう。1950年後半から映画音楽を手がけるとともに、ジャズ・ボーカルのアレンジ(フランクシナトラなど)の仕事も行ってきました。彼はこの曲を海沿いの道にあるレストランで作ったのだそうです。

この曲も実に多くの歌手やミュージシャンにカバーされていますが、特に有名なのは前述のトニー・ベネット、それからアストラッド・ジルベルトのボサノヴァの決定版ともいえる歌唱、バーブラ・ソトライザンド、シナトラ、アンディ・ウィリアムス、ペリー・コモ、ボビー・ダーリンなどなど。あのスティービー・ワンダーのカバーもあります。

どちらかというとジャズというよりは、ポピュラーのジャンルに属す曲ですが、ジャズミュージシャンも好んでカバーしています。ウェス・モンゴメリーの情感たっぷりのギターなどもおすすめです。トニー・ベネットが最近出した「Duets」というさまざまな豪華な歌手とのデュエットばかりを録音した盤にもこの曲が入っています。この曲のデュエットの相手はコロンビア生まれのギタリスト・シンガーソングライターで現在のラテンポップをリードするフアネス(Juanes)。英語とスペイン語でのデュエットです。

ヴォーカルで歌う場合、アレンジは大きくわけてバラードにするか、ボサノヴァにするかのどちらかですよね。シンプルなメロディだけにかえって、バラードのアレンジにすると、歌の力量とか説得力が問われるといいますか、そのままだとただ単調になってしまいがちだと思いますので要注意ですね。

バラードアレンジで個人的におすすめなのは、やはりアン・バートンです。出身のオランダ本国より日本人のファンが多いじゃないか?というくらいかつてバカ売れしたアルバム「Ballads & Burton」に収録されています。これはジャズヴォーカルをやる人なら必聴の名盤中の名盤ですね。「One day we walked…」で始まるヴァースから歌ってます。

訳詞
いそしぎ

(ヴァース)
ある日私たちは砂浜を散歩していた
春未だ浅い日
あなたは折れた羽を治してやろうと
一羽のいそしぎを手にしていた
 
今 思い出すのは 深い孤独に包まれた日々
繰り返し聞こえる いそしぎの歌声
そして 微笑の面影

(コーラス)
あなたの微笑の面影
あなたが去ってしまった今 それだけが
私の毎夜の夢にいろどりを与え
夜明けに輝きをもたらしてくれる

私の目を見ればわかるはず
私にとって あなたがどんなに
大切な人なのか

切ない思いをこめた小さな星は
はるか空のかなた
一粒の涙があなたの唇にふれたとき
私もあなたにそっと触れてみた

いまも思いだすあの春 愛の喜びに満ちていた
だからずっと忘れない あなたの微笑の面影を




●その他のおすすめ盤
Ana Caram /Hollywood Rio
Johnny Mathis / Johnny Mathis A 50th anniversary celebration
Blossom Dearie /ブロッサム・タイム・アット・ロニー・スコット
Carmen MacRae / Women Talk


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