ジャズやポピュラーを中心にしたヴォーカル講師のブログです。自分でできる簡単ボイトレや、うまく歌うコツ、スタンダード曲のうんちく話など。

American Idol Season 7 best moments: TOP12/Lennon/McCartney songbook

しばらくAI Season7 best momentsと題して、今シーズンのアメリカンアイドルの個人的に印象に残ったパフォーマンスを載せていきたいと思います。

Top 12 ++Lennon/McCartney songbook++
She's a woman by Chikezie


TOP12のお題はLennon/McCartney songbookでした。次回のBEATLESテーマ週とあわせて、コンテスタンツは2週続きでビートルズ関連のものを歌うことに。はじめはいろんなアレンジがでてきておもしろそう!と思っていたのですが、凝ったアレンジにする人は少なくてほぼ原曲通りとかいまひとつ不発に終わるものが多くて、2週も続けてみるのはキツかったです。だってオリジナル通りにやるとしたらやっぱりオリジナルの方が…ポールやジョンのヴォーカルを甘く見るなよという感じです(誰も甘くは見てないか…そしてジョージはさておきリンゴの立場は…)あの奇跡の"Two of us”な2人になれない私たちは、ビートルズの曲はスタンダードととらえていろいろアレンジした方が楽しめると思うのですよね。曲として完成されたものが多いので、いじれる曲が多いし。
そんな中、これは最高!と思ったのがチキージー(アフリカ系の人)のShe's a woman。ブルーグラスではじまるこのアレンジにノックアウトされました。今年はステージで暴れ回る人も少なくて(アマンダ姐さんくらい?)、ようやくはじけたパフォーマンスが見られたというか。とても楽しかったです。途中の息切れとか音ズレも帳消しにできるほどの愛嬌あるパフォーマンスでした。それにしてもこの後の週でどんどん彼がはじけてくれるのかなと思ったらこのあと特に見せ場がないまま、脱落してしまったのが悲しかった。こういうアレンジができるんなら(このアレンジはチキージー本人のものだとか)もっといろいろやってくれればよかったのになあと思います。

おまけ

コンテスタンツの歌ではないですが、翌日の結果発表の日にゲストでやってきたアイドル同窓生キャサリン・マクフィー(シーズン5の2位の人)のパフォーマンスです。あのデビッド・フォスターと登場してSomethingを歌いました。ジョージの歌がデビッドフォスター風味になるとこんな感じになるんだーという仕上がりで、個人的にはけっこう好きです。2度めのサビの部分のコードが少し変えてあってそれがらしくていい。間奏もバンドでやるんだったらやはりクラプトンばりのギターソロを期待したいところですが、ピアノでやるんだったらこういうアレンジもいいなあと思いました。キャット(キャサリンの愛称です)の歌も後半部が特によかったです。最後のフェイクも決まっててこれはうまい終わり方。あの尻切れとんぼ的エンディング(それがいいところでもあるんですが)は1人の弾き語りのステージでやるとちょっと決まりにくいというか、どうも歌い手としては不完全燃焼的な感じになっちゃってたので、これはいいアイデアです。パクらせてもらおうと思いましたwそれにしてもビートルズのソングライターというと、いつもレノンマッカートニーにスポットライトがあたってしまいますが、ジョージの歌いいなあ。しかもこの詩にはなんとも大人の味があって寝取られ男の悲哀を感じますw
キャットはこのデビッドフォスターと組んでいまアルバムを作っているそうで期待。これまでに1枚アルバムを出してるんですが、どうにも彼女のキャラと合ってない曲ばかりでしかも売れずじまい。AI時代の彼女のベストはOver the Rainbowとかなので、アメリカンソングブック的なやつを出したらいいんじゃないんですかねえ。バカ売れはしないにしても、彼女の元々のファンはそういうのの方が喜びそうです。

AIシーズン7終了

AI Finale TOP12


アメリカンアイドルシーズン7、とうとう終わってしまいました…。
毎週の楽しみがなくなってさびしいです。日本放送はまだしばらく続きますが、昨日フィナーレで優勝者も決まって (ネタバレになるので誰とは書きませんが)途中から非常に気に入っていた人なのでとても満足のうちに終わりました。

今年のファイナルは昨年よりもガチ対決になっていてとても見応えがありました。また時間のあるときに総括を書きたいと思っていますが、今年から特に大きく変わったのが、楽器を使ったいわゆる弾き語りのパフォーマンスができるようになったことで、これについては視聴者の自分としては面白くていい面があったものの、一方で不満も残りました。不満というのは簡単にいうと、弾き語りのパフォーマンスで要求されるものと、歌一本で要求されるものとは違うと思うので単純に比較できないだろうと思うわけです。候補者が発表になったときに、自分の弾き語りのレパートリーとかなりかぶるブルック・ホワイトのプロフィールを見て、すごく楽しみにしていたのですが、結果的には彼女のパフォーマンスでいいなと思ったのが一度もありませんでした。私が感じた彼女の問題というのは、まず楽器がへタということ。というか、弾き語りの楽器と一体化していないとでも言いましょうか…。確かに弾き語りをする人間がソロをやる人ように楽器をうまく必要はそんなにないと思います。実際私も自慢ではないですが、ヘタです。しかし「弾く方に集中しないと」弾けないようなレベルでは問題で、これだとどっちも中途半端なパフォーマンスになってしまいます。いっそのこと、うまく弾けないのであればAIのすばらしい「リッキーマイナーバンド」というバックがいるわけですから、ある程度をバンドにまかせてすごくシンプルなコードだけ弾いてごまかせばいいのになあと思っていました。(まあそれだと弾き語りすること自体に意味があるのかいまひとつわからない気もしますが)ブルックの歌声自体は好きだったので、残念なところでした。

いろいろ書くとまた長くなってしまいそうなので、しばらく今日からトップ12以降のパフォーマンスで自分が気にいったものを紹介していきたいと思います。(なんだかほとんどAIのブログ化してますが…まあいいか)ふりかえってみると、お気に入りも次々に変わって忙しいシーズンでした。そしてAIナンバーといいますかやたらと候補者に人気でよく歌われる歌が、やはり今年も例外なく何度か歌われましたが、そういうのは極力避けて、歌に興味のある方のレパートリーやパフォーマンスの参考になるようなものを貼っていきたいと思います。

今日の日本放送分~hate myself for loving you

日本放送分が今年も3週遅れのため、ようつべやファンサイトなどですでにすべてのパフォーマンスを見てしまい、内容もネタバレしちゃってるのですが、今週の日本放送分は今シーズンわたしのお気に入りのライオンあたまのクロミちゃん(マイメロの…私が勝手に思ってるだけなのですが)ことAmanda Overmyerがやってくれました。今週は80年代の曲というのがみんなのお題だったのですが、アマンダはあいかわらずナイス選曲!ああなつかしい私の80年代が…。



Joan JettのI hate myself for loving youです。
ジョーンジェットといえば、やはりメジャーなのは、I love Rock'n Rollなんでしょうか。メインストリーム王道ロック、しかも歌がうまい、そしてかわいいあねごさんです。その後いくところまでいっちゃいましたが、80年代の後半くらいまで大好きでした。オリジナルではないんですが、昔CCRやキンクス、ナザレスなんかをカバーした「The Hit List」というアルバムが特に好きで、毎日飽きるほど聴いてたなあ。この人バラードもすごく上手いのです。力でゴリ押しするだけのヴォーカルではないところがすばらしい。そして声もいい。

そして今回のアマンダ、なかなかいい感じにカバーしてました。前回はちょっと(というかかなりw)音程がヤバかったのですが、今回は彼女の声質にもがっつりはまっていて見ていて気持ちよかったです。見た目もちょっとあか抜けてきて、ああこのまま行ってくれればいいんですけどね…ネタバレになるんでやめときます。

他のコンテスタンツで目立っていたのはレナード・コーエンのHallelujahをジェフ・バックリーヴァージョンで歌ったJason Castroでしょうか。個人的にはあまり興味ないですが…。このパフォーマンスの後、米国のiTunes Storeで一時的にこのジェフバックリーのハレルヤが一位になっていてビビリました。すごい影響力です。あとあのライオネルリチ子のHelloをびっくりアレンジで歌ったDavid Cook。彼は今後もいろいろな面白アレンジを披露してくれます。しかしこれも元ネタがあるのだろうか。

ヴォーカルと花粉症

ハナのはな
スギのピークがそろそろ終わって、そろそろヒノキでしょうか。つらい季節が続いています。歌を歌うことは、つきつめていけば息のやりとりですから、その息の通り道が塞がれてしまう花粉症はやはり困った問題です。私もかなり年季の入った花粉キャリアでこの時期はマスクとめがねのフル装備で一挙にあやしい人化しています。

食べ物とか体質改善とかレーザー手術とか、いろいろな治療法もあるみたいですが、とりあえず調子悪くても歌わなければいけない場合もあるのでそんなのんきなことも言ってられません。
ただたいていの場合、歌に集中すると不思議なもので症状が止まります。個人的な経験でいうと花粉症の症状は「気分」に影響されることが多くて、気合いである程度なんとかなるもんです。おわり。
…ではあまりに無責任ですので、それでも症状が出てしまった場合の対処法を書いておきたいと思います。

花粉症だと鼻の問題とのどの問題があると思うのですが、のどの方は実はあまり問題ではなくて逆にちょっとハスキーくらいの方が味があったりwあと声ののびの悪さは、いつもより少し多めにビブラートをかけてごまかしたりします(やりすぎだと演歌になるので注意ですが)そもそもいい発声ができていればのどの状態が悪くても声にはそれほど大きな影響が出なくなることに気づくと思います。(もちろん全く影響がないわけではありませんが)
問題は鼻の方で、つまっていたりすると、特に吸気の方に問題がでてきます。いつもより少し多めに余裕をもってブレスすること、それから少しキーを下げて鼻に抜く空気を減らすことで対応してみるといいと思います。

でも一番いいのは物理的に「鼻を通す」ことに決まっているわけで、手っとりばやく声とのどをいい状態にもっていくためには「うがい」に勝るものはありません。なんだそれかという感じだと思うのですが、最近薬局にある「鼻うがい」の洗浄液がなかなか優れものではまってます。この洗浄液を鼻から飲み込んで口から出すことで、付着した花粉やハウスダストを洗い流すというものです(なんかこうして書くときたない感じがしますが…)「鼻うがい」はヨガをやる人なんかも実践していて、(ヨガも呼吸法がキモですよね)最初はけっこうこわいんですけど、やると意外とはまります。私もやる前はあのプールの経験とかを思い出して痛いんじゃないかというイメージがあったのですが、付属の専用の器具を使うと簡単ですし、洗浄液は涙とかと同じ成分で作ってあるらしく全然痛くないんでまだの方は試してみる価値ありだと思います。私もそうだったのですが、なかなか体調に合う薬が見つからない方とか、これだったら副作用の心配もないんで安心してできるのではないでしょうか。

The Shadow of your Smile

海のハナ

今月の朝日カルチャーセンター講座の課題曲は「The Shadow of Your Smile」です。生徒さんには毎月オリジナルテキストをお渡ししていてそこに曲のうんちく話を書いていますので、ここでもちょっと紹介。

この曲のメロディを聴くとなぜか懐かしい感じがするという日本人は多いのではないでしょうか?それもそのはず、冒頭の部分が「五木の子守唄」とまったく同じメロディラインですよね。恋人との別れの映画音楽と、日本の子守り奉公の娘たちの哀歌、どちらも「哀愁」という点で共通しているようです。

もともとは1965年のアメリカ映画「Sandpiper(いそしぎ)」の主題歌。ヴィンセント・ミネリが監督をつとめ、エリザベス・テイラーとリチャード・バートン主演のこの映画自体はあまり大きなヒットにはならなかったものの、この曲が同年のアカデミー主題歌賞を受賞。同年、トニー・ベネットの歌もグラミーの「ソング・オブ・ザー・イヤー」を受賞しています。

昔は「いそしぎ」って言葉の意味がわからず、ただなんとなくロマンチックなタイトルだなあと思っていたのですが、考えてみれば磯にいる「しぎ」という鳥のことなんですよね。写真をぐぐってみたらなかなかかわいい鳥でした。どちらにせよ、なんとなく磯の香りがする歌です。(海苔か!)それも夏の終わりとか、あまり人気のない静かな海のイメージでしょうか。ヴァースで歌われている2人の恋の思い出の季節は早春ですね。

作曲者のJohnny Mandel は元々、ジャズプレイヤーで、ビッグバンドのトロンボーン、トランペット奏者として1940年代から活躍していたのだそう。1950年後半から映画音楽を手がけるとともに、ジャズ・ボーカルのアレンジ(フランクシナトラなど)の仕事も行ってきました。彼はこの曲を海沿いの道にあるレストランで作ったのだそうです。

この曲も実に多くの歌手やミュージシャンにカバーされていますが、特に有名なのは前述のトニー・ベネット、それからアストラッド・ジルベルトのボサノヴァの決定版ともいえる歌唱、バーブラ・ソトライザンド、シナトラ、アンディ・ウィリアムス、ペリー・コモ、ボビー・ダーリンなどなど。あのスティービー・ワンダーのカバーもあります。

どちらかというとジャズというよりは、ポピュラーのジャンルに属す曲ですが、ジャズミュージシャンも好んでカバーしています。ウェス・モンゴメリーの情感たっぷりのギターなどもおすすめです。トニー・ベネットが最近出した「Duets」というさまざまな豪華な歌手とのデュエットばかりを録音した盤にもこの曲が入っています。この曲のデュエットの相手はコロンビア生まれのギタリスト・シンガーソングライターで現在のラテンポップをリードするフアネス(Juanes)。英語とスペイン語でのデュエットです。

ヴォーカルで歌う場合、アレンジは大きくわけてバラードにするか、ボサノヴァにするかのどちらかですよね。シンプルなメロディだけにかえって、バラードのアレンジにすると、歌の力量とか説得力が問われるといいますか、そのままだとただ単調になってしまいがちだと思いますので要注意ですね。

バラードアレンジで個人的におすすめなのは、やはりアン・バートンです。出身のオランダ本国より日本人のファンが多いじゃないか?というくらいかつてバカ売れしたアルバム「Ballads & Burton」に収録されています。これはジャズヴォーカルをやる人なら必聴の名盤中の名盤ですね。「One day we walked…」で始まるヴァースから歌ってます。

訳詞
いそしぎ

(ヴァース)
ある日私たちは砂浜を散歩していた
春未だ浅い日
あなたは折れた羽を治してやろうと
一羽のいそしぎを手にしていた
 
今 思い出すのは 深い孤独に包まれた日々
繰り返し聞こえる いそしぎの歌声
そして 微笑の面影

(コーラス)
あなたの微笑の面影
あなたが去ってしまった今 それだけが
私の毎夜の夢にいろどりを与え
夜明けに輝きをもたらしてくれる

私の目を見ればわかるはず
私にとって あなたがどんなに
大切な人なのか

切ない思いをこめた小さな星は
はるか空のかなた
一粒の涙があなたの唇にふれたとき
私もあなたにそっと触れてみた

いまも思いだすあの春 愛の喜びに満ちていた
だからずっと忘れない あなたの微笑の面影を




●その他のおすすめ盤
Ana Caram /Hollywood Rio
Johnny Mathis / Johnny Mathis A 50th anniversary celebration
Blossom Dearie /ブロッサム・タイム・アット・ロニー・スコット
Carmen MacRae / Women Talk


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